【親と上司は選べない】その先にある“チーム”という選択
「親と上司は選べない」
社会人になってこの言葉は、頻繁に耳にしていると思います。
どんな上司のもとで働くか、自分の意志で決められることは少ない。
ときに理不尽に思える指示。
価値観の合わない方針。
自分だったらこうするのに…という想い。
そうした感情が湧いてくるのは、とても自然なことです。
しかし今、私たちの現場では、
「上司に納得がいかない」
「信頼できない」
という気持ちから、チームの空気が乱れはじめているケースが見られます。
上司に対する不満から、その人を陥れようとするような行動をとる。
あるいは、納得できないことを理由に業務そのものが滞ってしまう。
さらには、チームの輪をあえて乱すような言動。
これは、誰か一人の問題ではありません。
チーム全体の土台を揺るがす、大きな課題です。
■上司は“理想”ではなく、“現実”の一部
私たちは完璧な上司を求めがちです。
しかし、どんな人にも「得意」と「不得意」があります。
それは上司でも同じです。
もちろん、上司の側にも改善すべき点はあります。
けれど、それ以上に大切なのは、
「今自分にとって、どう行動するのが正しいのか」
という“自分のあり方”です。
■チームとは、“選べない人たち”と成果を出す場所
チームとは、会社が与えてくれた「選べない仲間」と一緒に、成果を出す場です。
たとえ価値観が違っても、スタイルが合わなくても、
「このチームでどうすれば目標を達成できるか?」
を考えるのがプロフェッショナルの姿勢です。
「上司が変われば…」と願っても、環境がすぐに変わることは少ない。
でも、
「自分の関わり方を変えること」は、今すぐにでもできます。
■“不満”はチームを壊し、“意見”はチームを強くする
不満や陰口は、確実にチームの空気を悪くします。
誰かの信頼を削れば、それは自分の信頼も削ることにつながります。
一方で、意見を伝えることは違います。
納得できないことがあるなら、冷静に、建設的に伝える。
相手を否定するのではなく、チームを良くしたいという視点で伝える。
その違いが、チームの雰囲気を決定づけます。
■最後に:理想のチームを創るのは、今の自分の姿勢から
私たちは、上司やチームメンバーを選ぶことはできません。
でも、
「信頼を築く側に回るか」
「壊す側に回るか」
その選択は、常に自分の手の中にあります。
誰かを責める前に、自分に問いかけてみてください。
「この行動は、チームの未来にどうつながるだろうか?」
たった一言の声かけや、たった一つの気遣いが、
「このチームで頑張ろう」と思える空気をつくります。
誰かが変わるのを待つのではなく、
「私がチームを良くする一人になる」
その意識こそが、選べない環境の中でも、最高のチームを創っていく力になると信じています。